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お寺と福祉の情報局

「親なきあと」遺言は必要不可欠

2023年8月25日

 障害者の親やきょうだいなど親族の立場にある専門家たちでつくる一般社団法人「親なきあと」相談室関西ネットワーク(藤原由親・藤井奈緒代表理事)は7月22日、大阪市立青少年センター(大阪市東淀川区)で31回目の定例セミナーを開いた。行政書士法人アクセス(大阪市中央区)の代表行政書士、細谷洋貴さんが、障害のある子のための相続対策として遺言、成年後見制度=用語解説=、家族信託について解説した。

遺言などについて解説する行政書士の細谷洋貴さん
遺言などについて解説する行政書士の細谷洋貴さん

 同社団は2019年6月に設立。4年余りの活動で相談事例が蓄積されており、個人を特定されない形で家族や当事者の参考にしてもらおうとしている。この日は専門職を含めて約30人が聴講した。

 遺言について細谷さんは「誰が何を相続し、結果どうなるのかを、障害のある相続人が理解できているかが重要」と強調。相続手続きを誰が行うのかも決めておけるのが遺言の特徴だと指摘し、「専門家など第三者も可能」と語った。

 その上で、金額や割合を決めておかなくても、遺言を書く方法があると伝え、「本人の判断能力に不安がある場合、遺言は必要不可欠。『とりあえず』でも作成の検討を」と呼び掛けた。

約30人が聴講した「親なきあと」相談室関西ネットワークのセミナー
約30人が聴講した「親なきあと」相談室関西ネットワークのセミナー

 成年後見制度を巡っては、相続や定期預金の解約などの際に、金融機関や不動産業者から後見人をつけるよう求められることがあると指摘。「不動産や有価証券、定期預金など、本人確認を必要とする財産管理を減らすことがポイント」と話した。

 家族信託については、障害のある子の家庭で契約した事例は少ないものの、収益物件や自宅などの不動産を残す場合は有効であると説明した。

【用語解説】成年後見制度(せいねんこうけんせいど)

 認知症や障害などで判断能力が不十分な人に代わって、財産の管理や契約事を行う人(後見人)を選ぶ制度。家庭裁判所が選ぶ法定後見制度と、判断能力のあるうちに本人があらかじめ選んでおく任意後見制度がある。

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