2024年2月24日
近年、イスラム教を信仰する人たちが介護現場で働く例が増えています。彼らと接する上で、私たちが知っておきたいポイントの後半をお伝えします。
※前半はこちらから
イスラム教を信仰する人は、正午など定められた時間に1日5回(宗派により回数は異なるそうです)、礼拝を行うことが義務付けられています。
介護現場で働く場合には「礼拝時間をどのように確保するか」が課題になります。例えば、施設では正午は利用者の食事介助で多忙です。「この時間に礼拝でいなくなるのは困る」という現場がほとんどでしょう。
また、勤務シフトにもよりますが、勤務中に最低1回は礼拝時間があるでしょう。礼拝にかかる時間は1回10分程度ですので、昼休憩のときにできれば問題ないのですが、それが難しい場合は「礼拝時間を休憩時間として認めるかどうか」「ほかの職員に比べて休憩時間が長くなる点について、給与面でどう折り合いをつけるか」などを決めておかないと、後々トラブルになりかねません。
なお、仕事の都合や旅行中などで決められた時間の礼拝が難しい場合は、時間をずらすことも認められているそうです。どこまで職場として対応できるのか、本人としっかり話をしておくことが大事です。
職場としては、礼拝場所の確保も考えなくてはなりません。礼拝は「静かで清潔な場所」で行うのが望ましいとされています。空いている居室や相談室など、他の人に邪魔されない場所を用意しましょう。礼拝は男女別に行うことになっていますので、2カ所必要です。
また、礼拝中の人に話しかけたり、前を横切ったりするのはタブーです。うっかり業務連絡などをしないように注意してください。