2024年11月9日
ある介護系ウェブメディアの調査によると、「介護職の気持ちが重くなる業務ランキング」の1位は「レクリエーション(レク)」、2位は「排泄(はいせつ)介助」、3位は「入浴介助」だそうです。排泄介助と入浴介助は「身体的な負担が大きい」ということで、敬遠する介護職が多いのも納得できます。
では、レクが嫌いなのはどのような理由からなのでしょうか。
まず「性格的に人前に立つのが苦手」という介護職が多くいます。また「介護の学校を出ていても、レクのやり方は学んでいない」という理由もあるそうです。そして「毎日新しいことを考え、準備しなくてはいけない」というプレッシャーです。
レクが嫌で退職をする人も少なからずおり、人材の採用・定着の観点からもレク問題の解決は重要といえそうです。
その解決に向けて「外国人をレク担当にした」というユニークな介護施設があります。
外国人は現場で働き始めても、日本語能力の点などから「当面は、実際の業務は先輩とペアで」ということが多く、施設にとってはすぐには人手不足の解消に直結しません。
また、残念なことに、高齢者の中には外国人への苦手意識があり「自分の介護はしてほしくない」と考える人もいて、なかなか外国人を効果的に活用できません。
外国人がレクをすれば、身体介助など人手が必要な業務に日本人を多く回せます。また、最近はコミュニケーションロボットなど自分でレクを進行できる情報通信技術(ICT)機器も発達し、外国人でもレクの司会は難しくありません。
そして何よりも大きいのは、スタッフと入居者が楽しい時間を共有することで親密になれるという点。それまで外国人を苦手にしていた入居者が「今度は○○さんに介護してもらいたい」と、わざわざ指名するようになったそうです。