2023年2月10日 | 2023年6月9日更新
※文化時報2022年12月20日号の掲載記事です。
大阪市住吉区の浄土宗願生寺(大河内大博住職)で12日、5回目の親なきあと相談室が開かれた。障害のある子を連れた親子や支援者、僧侶を含む8人が来訪。たわいのない世間話をしたり、障害の受容を巡るつらかった経験を分かち合ったりし、和やかな午後のひとときを過ごした。
8月を除く毎月第2月曜にまちの保健室、介護者カフェと同時開催している。一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室(小野木康雄代表理事、京都市下京区)の理事やアドバイザーが相談員として参加しており、この日は前回同様、障害のある子のいる藤井奈緒理事と小迫孝乃アドバイザーが担当した。
初めて参加した大阪府豊中市の清元由美子さんは、30代の自閉症の息子がいる。「行政の制度からこぼれ落ちた人が、行き場がなく困っているケースは多いと思う。お寺がすくい取るような場所になってくれれば」と話した。
浄土宗銀山寺(大阪市天王寺区)の末髙隆玄住職は、来年2月開講の第4期「文化時報 福祉仏教入門講座」を受講する。「かなり勉強になった。皆さんのお話を聴いて、自分も活動をしなければならないと思った」と語り、親なきあと相談室の開設に意欲を示した。
藤井理事は「私たち障害のある子の親は心配が尽きることがないのに、制度の中でアドバイスしてくれる人は問題が解決したら離れていってしまう。ずっと気持ちに寄り添ってくれる場に、お寺がなってくれれば」と期待を寄せた。