2023年7月2日 | 2023年7月2日更新
物事を見過ぎることで、それが持つ意味が全く見えなくなることを僕は怖れる。
――画家、版画家、芸術家、アンディ・ウォーホル(1928~1987)
去年9月から今年2月にかけて、京都市京セラ美術館で展覧会「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」が開催されました。
ポップ・アートの旗手として知られるアンディ・ウォーホル。皆さんも彼が描いたマリリン・モンローを、一度は見たことがあるのではないでしょうか?
彼はいくつもの名言を遺しましたが、その中でも印象的なのがこの言葉です。
物事を見過ぎるのは、その物事が自分にとって重要に思えるからでしょう。しかし、重要だからと身構えてしまうあまり、そのものが本来持っていなかったはずの意味を読み取ってしまうことがあります。アンディ・ウォーホルはそのような事態を危惧していました。
ポップ・アートは、第2次世界大戦後の英国で誕生した美術運動です。大量生産・大量消費社会の中で、美術館の展示物のような貴重なものではなく、もっと身近でありきたりなものをモチーフとして表現するアートが誕生しました。
特別な物事ではなくどこにでもあるものをモチーフとして、それに深い意味は持たせない。それも一つの表現なのです。
皆さんも、つい物事の裏を読み過ぎて悩んでしまうことがあると思います。そんな時は一度目を離してシンプルに考えてみると、意外とすんなり解決するかもしれません。
最後に、アンディ・ウォーホルの遺したもう一つの言葉を贈ります。
「もしアンディ・ウォーホルの全てを知りたいのならば、私の絵と映画と私の表面だけを見てください。裏側には何もありません」