2023年1月1日
高齢者施設に入居を考えているご本人やご家族、新米の介護職の方は、利用者さんが年末年始を施設でどのように過ごしているか気になるところでしょう。
そこで、「ひと工夫で安心 コロナに負けない餅つき」でお話を聞いた介護職員さん2人に、勤務する高齢者施設での利用者さんたちの過ごし方を教えていただきました。
施設の忘年会や新年会の日は、朝から利用者さんたちが協力してお好み焼きや豚汁などを作り、家族を招待してみんなで食べます。新型コロナウイルス感染拡大前は、利用者さんの家族と職員の家族も呼んで、大人数で盛り上がっていたそうです。
利用者さんにとっても、自宅にいた頃に帰省する子どもや孫をもてなしたのと同じような体験ができ、やりがいにつながります。
年末は毎年黒豆を煮て、おせちの一品にしていたというある利用者さんがいました。その話を聞いてぜひ施設でも作ってほしいとの声が上がり、新人の職員と一緒に調理した黒豆煮が大好評。以来、退居されるまでの数年間、その年の新人職員がレシピを教わりながら一緒に作る「黒豆煮教室」が恒例行事となっていたそうです。
利用者さんに教わって作った黒豆煮は、しわがなく、ツヤツヤでふっくらした完璧な仕上がり。教えることが利用者さんの励みになり、若手職員にとっても昔ながらの知恵を学べる、一挙両得の機会となりました。
施設によっては衛生上の理由で禁止しているところもあるようですが、こちらの施設ではなるべく自宅のお正月と変わらず過ごしてもらうことを大切にして、利用者さんのご家族手作りのおせち料理の持ち込みを許可しています。食べ慣れたわが家のおせちを、家族と一緒に味わうことができるため、みんな喜んでいます。
さまざまな理由から、お正月を1人で過ごさざるを得ない利用者さんもおられます。特に小規模多機能型居宅介護の利用者さんは1人暮らしの方が多く、年末年始はより寂しさを感じる方が多いようです。
この事業所では、利用の予定日ではなくても、お正月にやって来る利用者さんを受け入れるようにしているそう。職員やほかの利用者さんと一緒におせちを食べ、心も体も温まって新年を迎えます。