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お寺と福祉の情報局

病院併設の老人ホームがまさかの不人気

2022年9月19日

 高齢者住宅の中には、医療法人やその系列企業が運営しているところがあります。それらの多くはクリニックが併設されていたり、看護師が24時間常駐していたりと、医療体制が充実していることを大きなセールスポイントとしており、ほかの高齢者住宅では受け入れることが難しい医療的対応が必要な人も入居可能なことから、高い人気を博していることが多いようです。

医療体制が充実した施設(イメージ画像)
医療体制が充実した施設(イメージ画像)

 ある有料老人ホームは、医療法人が株式会社を設立して運営していました。医療法人の理事長がホーム運営会社の社長を兼ねており、理事長が院長を務める病院とホームは直接行き来することが可能で、何かあればすぐに医師が駆け付けてくれました。普通に考えれば高い人気を博しそうなものですが、なぜか入居者の数は伸びませんでした。

 理事長兼社長は、日頃は病院で患者の診療を行っていましたが、それが一段落するとホームを訪れ、入居者の部屋を回って声を掛けていました。それを聞くと入居者思いの良い理事長といえますが、問題はそのときの理事長の服装にありました。何と病院にいる時と同じ白衣姿なのです。しかもナース服姿の看護師も連れて「巡回」していました。まるで「白い巨塔」です。

 本人にしてみれば「医師なのだから白衣を着るのは当たり前」という意識だったのでしょう。しかしホームは「家」です。家の中で白衣を着る人はいません。白衣姿の医師がナース服姿の看護師を引き連れて歩く姿を見て、安らぎや落ち着きを感じる人がいるでしょうか。

 医療と介護の「連携」は必要ですが、両者は「同一」ではありません。たとえどれだけ偉い医師であっても、ホームの中では「入居者全員の息子・娘」のような親しみやすさを前面に出すことが必要でしょう。

 

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