2023年6月2日
コロナ禍が収束し、今後は、技能実習生や特定技能など介護現場で働く外国人が増加することが考えられます。外国人の介護人材は、コロナ前から多数来日していたのですが、当初は介護事業者側に外国人を受け入れるノウハウが少なかったこともあり、さまざまなトラブルが見られました。
もっとも、職場ではトラブルの芽があれば、事業者側が即座に注意・改善できるため、それほど深刻な事態になることは多くありませんでした。それに対し、私生活に関する部分では、プライバシーの問題もあって事業者側の目が行き届きにくいものです。その結果、勘違いや生活習慣の違いなどに起因する大きなトラブルが起こりました。
「天井から、大量の水が漏れてくる!」
インドネシアから来日した技能実習生が住むアパートの部屋の下の住人から、猛烈なクレームが入りました。管理会社から連絡を受けて介護事業者も駆け付けてみると、なるほど部屋の中が水浸しです。
当の実習生に事情を聞いてみると「部屋の掃除をしていた」とのこと。彼の部屋をのぞいてみると、台所の水道の蛇口からホースが伸びています。
「草の床の手入れの方法がわからなかった。ホースで水をまけばいいと思った」
彼が住んでいたのは畳敷きの部屋でした。畳を見るのは初めて。もちろん掃除の方法など分かりません。
外国人の介護人材の寮は、費用の関係もあり、市場ではあまり人気がない古い集合住宅であることが少なくありません。畳やバランス釜、ガス湯沸かし器、和式トイレなど、今ではあまり見かけない設備が使われていることもあります。寮がすでに決まっている場合には、来日前に「日本の古い住宅」についてしっかりと講義をすることも大切です。