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お寺と福祉の情報局

入居者にしてほしいことを聞いても「ありません」

2022年11月21日

 ある有料老人ホームが「入居者の夢をかなえるプロジェクト」の実践を決めました。「孫の結婚式に参列したい」など、一人一人の夢にスタッフが寄り添い、「3カ月後に実現」などの具体的目標を掲げて取り組むもので、最近導入するホームが増えています。夢をかなえるために行う機能訓練などで入居者が元気になるだけでなく、スタッフのモチベーションも向上するなど、多くのメリットが期待できます。

とにかく忙しい介護職(イメージ画像)
とにかく忙しい介護職(イメージ画像)

 「○○さん。何かしたいことはありますか」「▽▽さん。食べたいものがあれば言ってくださいね」と、スタッフは入居者の夢を集めることから始めました。しかし、「私は特にありません」という返事ばかりで、誰からも夢や希望は出てきませんでした。

 「聞き方が悪かったのかもしれない」と考え、今度は「○○さんは、若い頃よくご主人と映画を見に行ったと言っていましたね。今度映画に行きませんか」と具体的な提案をしてみました。すると「どうせ無理でしょ…」という返事が返ってきたそうです。

 スタッフはハッとしました。このホームは、深刻な人手不足でした。そのためスタッフ間では「○○をしてもらえますか?」「今は忙しくて無理です」といったやりとりが日常的に行われていたのです。それを聞いていた入居者は「してもらいたいことを言ったところで、どうせ忙しくてかなえてもらえないのだから、言わない方がまし」と考えたのです。

 それから、このホームでは入居者の前では「忙しい」「人が足りない」「(仕事が)大変だ」「できません」などの言葉を口にすることを禁止したそうです。他のサービス業では当たり前のことかもしれませんが、介護業界ではそれが徹底されていないことが多いようです。

 

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