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気軽に「親なきあと」語り合う 大阪・願生寺

2022年11月12日

※文化時報2022年9月23日号の掲載記事です。

 大阪市住吉区の浄土宗願生寺(大河内大博住職)で12日、月に1度の「親なきあと」相談室が開かれた。まちの保健室=用語解説=介護者カフェ=用語解説=の開催に合わせ、当事者に気軽に来てもらおうという2回目の試み。落ち着いたお寺の空間で、障害のある子の親たちが、同じ立場の相談員らとじっくり語り合った。

当事者同士で語り合う場となった「親なきあと」相談室
当事者同士で語り合う場となった「親なきあと」相談室

 障害のある子やひきこもりの子の親が面倒を見られなくなる「親なきあと」の問題に、宗教者が対応できるよう、文化時報社は昨年10月、一般財団法人「お寺と教会の親なきあと相談室」(小野木康雄代表理事)を設立。願生寺は相談室支部を設けている。

 この日は前回同様、同財団理事の藤井奈緒さんと、アドバイザーの小迫孝乃さんがスタンバイ。いずれも障害のある子の母親とあって、訪れた当事者たちは涙と笑いを交えながら、日々の出来事や苦労、子育ての喜びなどを分かち合った。

 このうち住吉区に住む谷晶子さん(50)は、重度知的障害の長女と、発達障害で軽度の知的障害がある長男、健常の次男の母親。自身は前回の「親なきあと」相談室も訪れ、次男は今年7月、願生寺で地域の小中学生を対象に行われた「夏休み寺子屋さっとさんが」に参加していた。

 谷さんは「相談室の方々とどのようにつながればいいのか知りたくて来たが、毎月開いていると聞けて良かった」と笑顔。子どもたちの学校の保護者会を、いずれ”卒業”しなければならないのが心配だと明かし、「地域でこのようなつながりができると助かる。お寺は気兼ねなく行ける場だし、下の子も雰囲気を気に入っている」と語った。

お寺と教会の親なきあと相談室などのぼり3本が立った願生寺の門前
お寺と教会の親なきあと相談室などのぼり3本が立った願生寺の門前

 願生寺の「親なきあと」相談室とまちの保健室、介護者カフェは、8月を除く毎月第2月曜の午後1時半から開催。まちの保健室では、大阪府看護協会から派遣された看護師たちが血圧測定などの健康チェックを行っている。

 介護者カフェでは次回から、大阪・道頓堀のコーヒー専門店の元店主らが入れたコーヒーが振る舞われる。

 問い合わせは願生寺(06-6671-1860)。

 

【用語解説】まちの保健室

 学校の保健室のように、地域住民が健康などさまざまな問題を気軽に相談できる場所。図書館や公民館、ショッピングモールなどに定期的に設けられ、看護師らによる健康チェックや情報提供が行われる。病気の予防や健康の増進を目的に、日本看護協会が2001(平成13)年度から展開している。

【用語解説】介護者カフェ

 在宅介護の介護者(ケアラー)らが集まり、悩みや疑問を自由に語り合うことで、分かち合いや情報交換をする場。「ケアラーズカフェ」とも呼ばれる。主にNPO法人や自治体などが行い、孤立を防ぐ活動として注目される。

 

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