埼玉県飯能市の吉田栄子さん(41)は、認定NPO法人ぬくもり福祉会たんぽぽの訪問看護師。同法人が運営するコミュニティーサロンで週1回、「まちかど保健室」を開催している。目的は市民の体の悩みや病気に関する相談を受けることだが、吉田さんは「特に話すことがなくても、顔を出してほしい」と話す。どんな取り組みなのか、実際に訪ね…
2024年6月1日
福祉仏教 for believeの「橋渡しインタビュー」に登場した介護士兼ミュージシャン同士の対談が実現した。筋萎縮性側索硬化症(ALS)=用語解説=患者の「たか」とユニットを組む「たか&ゆうき」の「ゆうき」こと石川祐輝さん(41)と、シンガーソングライターの藤良多さん(38)。それぞれの場所で学生時代から音楽に打ち…
2024年5月26日
東京都調布市の黒原裕喜さん(37)は先天性脳性麻痺のシングルファーザーだ。高校卒業後は正規雇用で大手外資系医療メーカーに就職。障害者雇用を担当し、特性に合わせた業務の振り分けや働きやすい環境づくりを行ってきた。現在は障害者雇用コンサルタントとして独立。プライベートでは2020年に離婚して息子2人を引き取り、働き方を変…
2024年5月20日
東京都東村山市の小松舞子さん(30)は、埼玉県のユニット型特別養護老人ホームで勤めている。小学生の時に授業で介護の世界を知り、高校生の時にホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)を取得した。卒業と同時に介護士として働き始めて12年。一方、趣味のイラストで地元の風景を描き、個展を開催。現場にも作品を飾り、見る人の気…
2024年5月12日
東京都の友田智佳恵さん(32)は小学6年生の時に母親が突然、くも膜下出血で倒れた。母は一人で過ごすことが難しくなり、日中はデイサービスを利用するなど生活が一変。友田さんはヤングケアラーになった。高校卒業後、若くして結婚・出産を経験し、6年前までは認知症の祖母の介護も行っていた。現在も子育てと母の介護を担う「ダブルケア…
2024年5月6日
家庭に事情を抱える子どもたちのための「子どもシェルター」をつくった坪井法律事務所の弁護士、坪井節子さん(70)。親に虐待を受け、養護施設に入った女児が一緒に暮らす子どもたちからいじめを受けて殺された―という実話を基にした本『和子6才いじめで死んだ 養護施設と子どもの人権』(倉岡小夜著、ひとなる書房)を読み、不思議な体…
2024年4月30日
坪井法律事務所の弁護士、坪井節子さん(70)は、さまざまな事情を抱える子どもたちのための「子どもシェルター」の生みの親として知られる。2004(平成16)年、東京都内に「カリヨン子どもの家」を設立。以来、児童福祉関連の資格を持つ職員や弁護士が子どもたちを見守ってきた。時にぶつかり、共に涙し、笑顔を見せながら、幾多の苦…
2024年4月29日
NPO法人PIPPOは福祉施設で作った雑貨、食品などをネット販売している。代表の森井優希さん(37)が2018(平成30)年6月、自宅で一人で始めた。障害のある人たちが作る商品は、たとえ興味があっても「買う場所がない」「販路拡大が難しい」などの課題があることを知り、暮らしの一部に福祉を取り入れたいと奔走。現在は30人…
2024年4月23日
中国からの留学生、彭雨瑾(ほう・うきん)さん(25)は2021年に早稲田大学大学院人間科学研究科へ入学した。1年目はコロナ禍で入国できず、自国でオンライン授業を受けていたが、2年目にようやく日本での生活が始まった。慣れない環境の中、福祉について研究し、週1度はデイサービスで有償ボランティアをしている。4月からIT企業…
2024年4月17日
埼玉県入間市の看護師山本千代さん(59)は、認知症専門病院で働いている。訪問看護の現場で長年、地域で暮らす高齢者に寄り添った看護やケアを行っていた。プライベートでは30歳の時にがんを患っていた夫と結婚し、娘を出産。夫の緩和ケアを行い、その後はシングルマザーとして、仕事と育児の両立を続けた。看護師歴は35年。山本さんの…
2024年4月11日
※文化時報2024年2月16日号の掲載記事です。 株式会社アカイノロシ(京都市上京区)は、タイ北部で暮らす少数民族「アカ族」が作るコーヒー豆に生産から関わり、輸入・販売まで一貫して行っている。焙煎(ばいせん)所兼店舗Laughter(ラフター)では、矢野龍平CEO(27)が自らカウンターに立ち、多くの人にコーヒ…
2024年4月5日
神奈川県厚木市在住の雨野千晴さん(43)は6年前、不注意優勢型の注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された。子どもの頃は物おじしない明るい優等生だったが、忘れ物や遅刻が多く、片付けができなかった。小学校の教諭になってから、自分の苦手な部分が目立つようになり、職場の人間関係に悩んだ。妊娠・出産、自閉症を持つ長男の子育て…
2024年3月30日
第2次世界大戦中、チェコ北部に「アウシュビッツへの控え室」と呼ばれたテレジン収容所があった。ユダヤ人の子どもたち約1万5000人が親から離され、子どもだけの建物で暮らし、わずかな食事しか与えられず、慣れない労働を強いられた。体が弱ったり、病気になったりした子は「労働力」として役に立たないと、貨物列車に詰め込まれてアウ…
2024年3月22日
愛知県岡崎市に住む杉浦幸博さん(45)は幼い頃に脊髄性筋萎縮症を患い、電動車椅子で生活している。2010(平成22)年、ほっとcom合同会社を立ち上げ、「杉くんの駄菓子屋」の店長になった。店内にはユーモアあふれる手作りくじ、ちょっと笑えるマニアックな駄菓子など、思わず手に取りたくなる商品が並ぶ。子どもを中心に老若男女…
2024年3月14日
今から60年以上前、生まれつき両腕のない、あるいは失った画家たちが集い、「自立」という志を掲げて絵を描き始めた。以来、現在に至るまでさまざまな作品が世に出ている。収入を得られるように販売を促進しているのが、「口と足で描く芸術家協会」(東京都新宿区)。代表の松澤雅美さん(66)に、画家たちの創作風景や啓発活動、日本にと…
2024年3月7日